まだ人間やってるの?

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SHIROBAKOを17話まで観て

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今更になってSHIROBAKOをチェックした。しかも、一晩で17話一気に。

 

この作品の面白さは、もちろんアニメファンとしてアニメの製作舞台裏をアニメにしてしまうという点に面白さや斬新さを感じるのは当然のことであると考えるが、個人的に主人公の制作進行という仕事が自分の現在従事している仕事内容にとても似ていたので、感情移入度が通常のアニメの段違いであった。

 

IT業界のプロデューサというのは、アニメ業界のデスクと呼ばれる職業ととても似ていることをこのアニメを通して知った。

 

納期までに成果物を納めなければならないスケジューリング、アニメーターや各関係者に頭を下げて作業をしてもらう苦労、内製出来なければ見つかるまで外部へ外注探し、、、ナドナド普段自分が苦労している仕事とよく似ていて、自分の仕事を客観的に見ることが出来たのも非常に面白い。

 

仕事内容もそうだが、主人公の制作進行としての将来や立場への葛藤描写が自分自身悩んでいたことととてもシンクロして、何度も「わかる、わかるううううう」と嗚咽をもらしてしまうこともしばしば。

 

そう、そうなんだよ。デザイナーやアニメータ(プログラマー)は、自分の行き着く先や目標が明確になっている人が多いし、尊敬できる目標が近くにいることも多い。だけど、製作は将来どうなるかなんて明確なキャリアプランなんてない。毎日忙しすぎる日常を過ごすだけで、その先のビジョンが見えにくい。

 

そういった将来に対する漠然とした不安や病んでる状態をこのアニメはとても丁寧に描写出来ているなと感動した。ここまで的確に表現出来るということは、同じような思いを感じている同志が何人もいるということなのかなと思うと、少し自分の中でのプレッシャーみたいなものが少し氷解したような気がしてくるのである。

 

ただ、このSHIROBAKO。欠点があるとすれば、職場環境がホワイトすぎる。

 

社長はやさしく、みんなをサポートするためにいつも料理とか作ってくれるし、給料の安いとかそういう不満も出てこないし、パワハラとか全然なさそうだし、そもそも人間関係で悩んでない嫌いな人がいない時点で奇跡だし、女の子多いし可愛いし、、、

 

こう考えてみると、現実のアニメ製作現場はもっともっと酷い惨状なのだと思う。

 

現在、日本のアニメータはどんどん減少しているという。1年間に排出されるアニメの数とアニメータの数のバランスが取れておらず、彼らの労働環境が劣悪なものになっているのは数々の報道で明らかにされている。

 

さらに、最近では人件費の安い海外にどんどん難しいカットなどを発注して単価の高い日本人アニメータを使用しない動きもメインストリームになっているようだ。

 

資源のない国、日本が世界に誇れる数少ない文化である漫画アニメ業界をこのまま衰退させてはいけないなと感じたり、自分の仕事について改めて俯瞰的な視点で見直したり、色々考えさせられる良いアニメだと思った。

 

最終話までとことん付き合おうと思うので、また改めて感想を載せたいと思う。